ISO/IATF16949を職場内で推進されている方にて、一番の苦労は外部審査対応ではないでしょうか。毎年必ず審査を受けなくてはいけませんし、その期間は外部から審査する人が来て、いろいろ書類見られたり、質問されたり、現場を監査されたりと大変な期間を過ごすことになります。
その中でも工程FMEAは、必ず審査される項目であり、ここでの指摘事項がよくあるのが特徴です。一番多い指摘とは、直近3年くらいのクレームに対する対策を工程内で行った場合、その対策内容をFMEAに反映していないと、ほぼ100%の確率でマイナーNC(軽微な不適合)=改善報告書要を求められます。
やっかいなのは、このFMEAは製造技術プロセスにて審査されます。具体的には工場内であれば、品質管理部、品質保証部での審査対象ではなく、製造技術部門にて審査されます。品証部門での審査ならば、自分たちが取りまとめ役なので、自分でチャチャッと直せば済みますが、製造技術部門と連携して用意しておくなど、事前の打ち合わせが必要です。
工程FMEAを作成するときは、闇雲にあれもこれもと、リスクモードを書かないことをお勧めします。QC工程図にある最低限の情報と、直近2~3年分のクレーム対策について追加しておけばOKです。その場合、クレーム案件の追No(通しNo)もFMEAの表へちょいと加えておけば、紐付けがバッチリです。
では点数付けはどうやればいいのでしょうか。細かい基準がありますね。外部セミナーを受けに行ったところ講師の先生からは、「えいや!」でいいんですよ。とのことでした。あまり気にせず迷ったときは直観で点数付けをしてOKです。実際の外部監査でもあまり点数付けまでは細かく見られませんが、ここだけは注意しましょう。検出の対策で、目視の場合は「8点」です。
FMEAにいろいろ細かいことまで書きすぎると、管理メンテが煩雑になったり、いびつな表となったり、また企業秘密の漏洩に繋がる可能性もあり、おすすめできません。
