品質保証スタッフでISO関連の推進者ならば、誰もが避けて通れないのが年1回行われる、外部監査です。この準備や当日対応に四苦八苦している担当者も多いと思います。
素人ならば誰でも思いつくことですが、準備には手元に持っている業務手順書や標準類、マニュアル類の改訂を行うことかと思います。
実はこれは大正解です。ISO/IATF16949では外部審査員は、業務プロセスの有効性、効率性とか、MSA、FMEA、SPCといったコアツールの活用状況を詳しく聞いてくると思いがちですが、意外にも基本的な文書管理について聞いてきたりします。
要求事項で求められているのは、文書はきちんと識別をして、迅速に検索していつでも取り出せる状態にしておいてくださ、いね、ということが求められております。ということはマニュアル類に、作成日や部署NoなどのヘッダーがなければNGということです。
筆者も工場内でISO/IATF16949の外部審査対応を4回経験してきましたが、このような指摘もあるものでした。やはり基本に忠実にするということが重要です。ぱっと開いたマニュアルなどが、一体何者なのか、どの部署のなんというマニュアルと紐づいているのか、これらが分かるようにマニュアルのどこかに記載しておき、質問された時も即答できるようにしましょう。
実はこの準備は地味ですが時間がかなりかかるんですよね。例えば文書を10年に1回は必ず改定することと組織内でのルール化していたとします。数千ページにも及ぶルールがあった場合、前回改定してから10年経過したままなんて、ざらに出てきますよ。となるとひたすら改訂作業を進めなければなりません。本審査の1か月以上前から、これについては取り掛かるべきです。
このISOの文書化はやっかいです。これはなんでも文書化して管理しましょうという、ISOマニュアル志向の欧米の考え方を日本に押し付けてきたものなので、まあそれに従うしかないですね。
実際の審査では、全部が全部、紙面に印刷して見せる必要はありません。会議室でプロジェクターや、モニター画面などで移しながら電子媒体で説明してもOKです。審査とはそういうものです。