工場、製造所におけるISO9001とIATF16949内部監査において内部監査員による監査の見方のばらつきを少なくするには、チェックリストの充実化が必要です。
チェックリストは、企業内で本社機能から基本となるチェックシートが、ルールとして決まっており、既に提示されているのかもしれませんが個人的には、工場内のISO事務局にて独自に作成することをお勧めします。
僕は、自分でチェックシートをオリジナルで作成して、課長に承認もらい、工場内の内部監査で活用をしていました。そうしたほうが良い理由はいくつかあります。
①本社機能から提示されるチェックシートの内容が小難しくわかりにくい可能性がある
ISOの要求事項の文言や用語・言い回しをそのまま引用したようなチェックシートとなっているケースが多くまず製造現場にとって、何を言っているのか何を準備したらいいのかわかりにくいことがあるからです。
②本社機能から提示されるチェックシートは
必ずしも、自分の工場で重点的に確認したい項目と異なる自分の工場の弱みや、昨年度の本審査での指摘事項の重点フォローなど、組織により確認したいポイントは異なるはずです。チェックシートを作成する時のポイントを教えます。
まずチェックシートのボリュームに関してですが、A4 1枚で十分です。こう書くと、
「えっ、待ってください」
「だって、ISOの要求事項は100以上あり、それぞれの個々の要求事項に関しても内容(文)が長いですよね」
ならばチェックシートは、何枚にも及ぶのでは?と思う方もいるかと思いますがそれは間違いです。僕もかつて、そう思い、A3で5枚分くらいに亘る長いチェックシートを、各内部監査員に渡しこの中で優先度を2段階(つまり必須と、WANT)
(これも、僕の匙加減ですが・・・)
に分けたので、網羅的に見よと指示したのですが、みんなにとっては、難しすぎてうまく見ることがなかったようです。なので、チェックシートはシンプルに項目としては、20個くらいでしょうか。それくらいでA4 1枚にしました。では、約20個のチェックシートはどのような内容を盛り込めばよいでしょうか。
まず大きくは
①前回の本審査と内部監査の指摘事項が 継続して改善維持されているか
②ISOの要求事項の網羅性
4~8章までの要求事項において重要そうなのを2個ずつくらい選んで入れましょう。
ここで入れていくとよいのが
・品質目標と実績、未達の場合の改善(プロセスアプローチ)
・コアツールが、それぞれ行われているか
・クレームや品質トラブルの是正活動
・教育訓練
・文書管理
・計測器管理
・継続的改善活動
このあたりになります。
※それぞれのチェック項目には、要求事項の
4.1.2みたいな、ISOの要求事項番号も書いておきましょう。そうすれば、ISOの要求事項の重要ポイントを網羅的に監査していることを示せます。
毎年同じチェックシートだと。網羅とは言えないので主要な項目は固定しつつも、毎年、ISOの要求事項にて確認する項目は、少しずつ変化させるといいです。
③製造工程監査
QC工程図をもとに、その通通りやれているかを監査しましょう
④シフト監査
直間の申し送りや、直切り替わり後の現場のオペレーションが前の直と同じであるかをチェックしましょう
⑤製品監査
検査工程では、必ず必要です。これらのチェックシートの各項目に対する、確認結果までは詳しく書く必要はありません
(つまりチェックシートの各項目の右側に空欄を設けて、設問ごとの結果を書く必要まではありません)
あくまで内部監査時のチェックシートです。では、各プロセス(監査対象各部署)における監査結果は、チェックシートとは、別に専用帳票に書くといいです。ここにどのような内容を書くとよいかは、次回詳しくご説明しましょう