品質トラブル、品質クレーム、労働災害、作業トラブルなどが起きた場合、対社内もしくは、対顧客に原因の追求と再発防止策の立案が求められると思います。
そこで登場するのがJS分析であります。なぜなぜ分析といいます。JS分析は再発防止を有効にするためのツールです。決して犯人探しではないことを前提に置きましょう。
この作成を苦手とする方が非常に多い印象です。筆者はもう品質のトラブルや労働災害の処理歴が10年以上ありますので、JS分析なんかは、実際に40個くらい作成してきたわけです。
現場から上がってくるJS分析で、よくある失敗例が、次の要因への文脈が全然つながっていないこと、もう1つは深堀が1側面に対してしか行われておらず、横の棒のようなJS分析になっていること(枝分かれが非常に少ないこと)です。なぜこのようなことになるかというと、能力の問題ではなく、単純に作成の知識を知らないからです。
ではどうすれば、まともなJS分析ができて、社内とかで上層部に報告しても、指摘がこなく、グーのねも出ないようなものができるかを教えましょう。
①不安全行動、不安全状態から出発
直接要因はまず上記からスタートです。決して、起こした個人の問題だけに終始してはいけないということです。
②枝分かれを、それっぽく見せるには、いろんな側面から分析せよ
個人の意識、気持ち、知識、標準の理解、焦り、ミス、勘違い、思い込み
管理監督者の指導力、教えていたか、教え方、フォローの仕方、注意喚起していたか、独り立ちの判断
周辺環境はどうか、騒音、作業場の暗さ、導線、もしくは職場全体が安全軽視の雰囲気となっていないかなど
標準・ルールの有無、わかりやすさ、あいまいさ、ルールの展開方法に問題なかったか
設備的な不備、使いやすさ、人間工学的に合った設計か、そもそも設備を入れるべきところに入れていないか、安全カバーなどの有無、音が小さい、設備が遠いところにないか、不具合やトラブルないか、定期点検はされているのか、きちんとしたものを導入しているのか?
です!これらを枝分かれに利用して、深堀をしてください!これだけで、それっぽいなぜなぜ分析に見えて、上層部はなんとなく納得し始めます。
③肝となる要因の部分(四角)には、赤色などで目出すように囲え
ここが最も重要な要因と思われる部分には、赤で囲いましょう。ここには殺し文句をつけておくわけです。そうすれば上層部の目は、ここに注目集まり
「そういわれてみれば、そうだよね」と納得してくれ、ほかのたくさん書いたJS分析部分は、カモフラージュができるのです。
④殺し文句を書け
「フェールセーフの思想となっていない」
「納期ありきのタイトなスケジュール」
「教えたまでであり、その有効性の確認の仕組みがない」
「第三者がけん制する仕組みがない」
「部署内での役割分担が不明確」
「品質意識の醸成不足」
「性善説ありきの考え方」
「エラーが起きても次工程へ進んでしまうシステム不備」
「最新の法規を収集する仕組みがない」
とか、本質的なところへ行きつくような、それっぽい難しい言葉を使い、書いておけばOKです。
どうでしょうか。これであなたもJS分析をまともに書くことができるはずです。原因がきちんと深堀ができれば、それに対応した対策を書くだけですので、まず原因が一番重要です。
ではがんばってみてください!
なれれば、縦に8~10個、横に5次要因くらいまでのJS分析表は、30分もあれば、それっぽいものができますよ。
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