ISO/IATF16949の外部審査で最低限これだけは準備しておこう(工場編)

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私は工場で、ISO/TS161949の事務局を4回に亘り担当してきました。その時の経験から言えることを書きます。

【超重要】Ma-NC(重大な不適合を喰らわない為に)

①内部監査

内部監査の計画、実施記録は、必須であり、内部監査見実施だと、Ma-NCで認証取り下げのプロセスが発動されますよ!なかなか書籍には書いていないですが、これはルールとして決まっています。

②前年度の指摘事項の是正エビデンス

前年度の外部審査でのMI-NCの指摘事項が治っておらず、再発と判断された場合もメジャー(重大な不適合)となります。

これを防ぐためには、是正処置のエビデンスに加え、そのあとの継続的な維持状態(そのあとにモニタリングや内部監査をして、対策状態が維持されたのを確認したとか)を記録として残し、それを監査官に見せる必要があります。是正処置のエビデンスだけでも何とかいけますが、ちょっと説得に弱いです。

【重要】

①クレームとトラブルの原因のなぜなぜ分析、

 その是正処置、有効性評価

※なぜなぜが甘く、単にクレームの事象だけクレーム回答書・報告書の原因欄に記載してあり、MI-NCを喰らうケースが非常に多い

②コアツールは最低限実施

※クレームやトラブルの対策内容がFMEAに反映されていないと、即MI-NCとなることが多い。面倒でも無理やりでも、その対策内容はFMEAに加えておく。

※FMEAは、参照マニュアル第四版のフォーマット通りにきちんと書きましょう。これを逸脱すると、これまたMI-NCの可能性があります。点数付けも検出の目視は8点としましょう。

※MSAは概念難しく、面倒で製造課もやりたがりませんが、年に最低1回はやっておき、その記録を見せるようにしましょう。

※SPC(工程能力)でCランクとかになった場合は、その処置をきちんと記録しておこう

※技術部門はAPQPとPPAPの事例を1例は用意しておこう

③ KPI未達成の場合の取り組み内容

放置しているとPDCA回っていないと判断され、MI-NCとなります。どういう対策や取り組みを行っているか、何か資料などのエビデンスで説明しましょう。既に使い回している社内用のパワーポイントのプレゼン資料などを使って説明してもかまいません。

④現場の監査での安全

意外かもしれませんが、耳栓が必要な騒音区域で、耳栓をしていない作業員を現場で監査官が確認したら、MI-NCとなる可能性があります。IATFだから品質の審査だから、安全や環境なんて関係ないんじゃない?と思うかもしれませんが、

落とし穴が!IATFの要求事項の中に、「要員の安全」要は作業環境の要求事項が少しだけ存在するんですね

⑤現場監査でのQC工程図

その通りに作業をしていないとMI-NCです。

⑥計測器の校正

これも試験所プロセスや、設備プロセスで確認されます。あとは、製造課の人たちは、MSAって何?コントロールプランって何?とか、ISO特有の用語を知らずに

本審査で審査官に質問され、固まったり混乱したりすることがあるので、基本的な用語は勉強会や一覧にして事前に展開するようにしましょう。これらができれば、MI-NCが数件レベルで重大な不適合とはならないはずです。

MI-NCを0件に抑えるのは極めて難しいです。なぜなら審査官は、100以上ある要求事項の中から、ランダムに網羅的にサンプリングで深く質問してきます。

なので、どこかしらで必ず指摘はもらうものです。その時は、いい改善のチャンスだと捉えて真摯に受け止めて是正していくようにしましょう。

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