品質保証の仕事をしている人ならば、肌感覚として分かるかと思いますが、とにかくスピードが重視であります。
なぜならば、うかうかしていると不具合品が工場の外に出ていき、市場へ流通してしまったり、お客さんに迷惑を掛けてしまうからです。
とくに工場の品証ではスピード感が求められます。
品証による現場の品質モニタリングを行い、何か不具合や、ルールの違反など、標準通りに行っていなかった場合、写真を撮って、事務所に戻りすぐに該当する製造課の班長や課長などにメールをして、その日の直中に直してもらうことが重要となります。
もしこれを明日でいいやと思い、翌日に製造課へメールしたりすると、「遅い」ということになります。
工場ではリアルタイムで次々と物が生産され、検査され、出荷されております。わずかな判断遅れ、処置遅れ、指示の遅れにより、本来ならば工場を出ていく前の出荷前倉庫で、不具合品の流出が止まっていたはずなのが、社外まで出て行ってしまうとかなりやっかいになります。お客さんに説明したり、在庫を引き戻して、OKロットの物を再生産して、入れ替えるなどの処置が必要となってきます。
品質保証の世界では、研究とは異なり、特に物処置という観点においては、細かい質は問われません。それよりもスピードが重視であり、とにかく連絡をして、前に進めることが重要となります。
品質保証に配属され、工場に配属された場合には、これをかなり意識してください。
またスピードを速めるには、知識と技能の習得が必要です。それはロット追跡が迅速にできるようになることです。トレースバックとトレースフォワードを正確に行う必要があります。そのためには、物がどのような順番で機械に投入されて、機械から出てくる生成物がどのような量・単位になり、出てくるのか。
パレットに積み込まれるとしたら、どのような順番で積み込まれるのか
保留品はどのような手順で保留され、解除され、どこの工程から再投入されるのか?
など現場をよく観察して、写真に撮り、まとめるなどして整理しておくことが極めて重要になります。
これをやっておかないと、いざ品質トラブルが発生し、携帯電話で現場の班長から呼び出しがあったときに、パニックになり、頭が真っ白になってしまい、何も判断・指示ができないということになりますので注意ください。
最初は安全パイで広めに物を保留して、徐々に範囲を絞っていくのがセオリーです。
厳しいことを言ってしまったようですが、筆者も品証歴10年で、工場で数々のトラブル対処をしてきた経験から言えることですので、少しでも参考にしていただけたら幸いであります。
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